取り組みの背景
この事業は、自然環境を考えた農家の意識転換による、土作りや地力再生事業からス
タートしました。
農の基は土、地力が大切であり、土作りが基本であるということは、農家はもとより
誰もが?認識していることとは思いますが、それがいつのまにか壊れてしまったよ
うです。
自然のサイクルから遠く離れ、化学肥料と農薬の大量使用がいたしかたないこととさ
れている農業生産の現状がありました。
農産物の為、また農業経営の為に良かれと思ってやってきたことが、いつのまにか農
業生産の基盤である農地を壊すサイクルになっていたと気づいたのです。
昔ながらの農や堆肥を学ぶと、人糞尿と落ち葉や刈り草、ワラやモミガラ、大豆か
すや魚かすなど、身近に存在する有機質資源を堆肥に転換し、田畑に還元していまし
た。
私たちの食も、食べればウンコ(人糞尿)、残せば生ゴミとして排出されます。
食べ物を粗末にするなと言いますが、“生ゴミだって自然の恵み”なのであります。
「残飯・生ゴミ=やっかいもの=廃棄物」なんてレッテルを貼っても、自然の恵みを
受けずに育ったものは無く、全ては自然のサイクルの中で生かされている存在です。
草木が枯れて土に還るがごとく、自然(田・畑・海・山)の恵みは、自然(田・畑)
に還る。これが当り前で、こうして資源循環する姿こそ自然の本質だと思います。
ですが、このサイクルがあまりにも当たり前(当然)であるがゆえに自然への感謝と、
そのサイクルに息を合わせ自然循環させるという意識に欠けてしまっていました。
農の基は土、地力が大切であり、土作りが基本なのであります。
そこで「自然環境と調和し、土作りを基本した昔ながらの農」を手本に、地力の衰え
た農地の再生と、豊かな土を蘇らせようと始まったのが私たちの取り組みです。
堆肥化プラントを設置して、身近な資源(生ゴミ)を堆肥化し、その堆肥を使って、
地力の衰えた農地の再生に取り組み、安全で元気な農産物を収穫し、消費者に戻すシ
ステムを、地域全体が喜びにあふれるような環境の創出(農地が喜び、作物が喜び、
農家が喜び、商店街が喜び、企業が喜び、消費者も喜ぶ)を根拠として目的展開し、
〈あるべき姿〉が生まれました。
資源循環システムの全体構想と調査、また初期プラント導入の準備に3年の月日をか
ぞえました。