ペレット堆肥化の経緯

 

 

地域においての堆肥利活用の現状を見ると、土づくの重要性は理解しているが、堆肥

 

を散布する労力(作業時間と手間)と高齢化からくる体力低下などが一つの要因で、堆

 

肥の投入を躊躇している農家が見られます。

 

実際、手作業での堆肥の散布を拝見するとそれもうなずけます。

 

 

確かにマニアスプレッダーを所有している農家は限られ、エンドユーザーである施設

 

園芸・耕種・露地野菜・果樹・花卉等の農家では少しの共同所有はあるがほとんどの

 

農家は堆肥の散布機を所有していないのが現状です。

 

 

ドンカメは堆肥の散布サービスを行っているが、ニーズにリアルタイムで応えること

 

や、時期、量、圃場による増減、散布ムラの低減、圃場内の土壌条件に対応した散布

 

等々、満たす努力は怠りませんが、すべてのニーズに応えるのは難しい。

 

 

やっぱり誰よりも圃場の性質を熟知しているのは耕作農家自身であり、堆肥利活用の

 

エンドユーザーです。

 

 

このような現状を踏まえ堆肥をペレット化し、耕種農家をはじめとしてほとんどの農

 

家が所有している化学肥料の散布機(ブロードキャスターなど)を活用して堆肥を散布

 

できる体制の推進を図りました。

 

 

袋詰めペレット堆肥であれば、流通・保管・散布作業等ハンドリングが安易になる。

 

利用農家はペレット堆肥を事前に購入し、農作業に合わせて散布する時期、量、圃場

 

による増減、散布ムラの低減、圃場内の土壌条件に対応した散布等々自在に調整する

 

ことができ、かつ所有する散布機の有効利用と堆肥を散布する労力(作業時間と手間)

 

が軽減すると同時に、無理なく農作業に組み込むことが可能になるであろうと考えた

 

のです。

 

 

近未来、堆肥はペレットでの利活用が一般的となり、圃場への堆肥投入は当たり前の

 

循環型農業環境が整っていくと考えます。

 

 

ペレットマシンの設備導入に当っては、ペレット堆肥は運搬しやすく、散布しやすい

 

というメリットがある反面、機械のイニシャルコスト及びメンテナンス費用が高く、

 

その結果ペレット堆肥のコストが高くなるという課題があります。

 

 

一般の畜産農家がまたは農家が共同利用でペレットマシンを購入するには、価格が高

 

額なものであると導入しにくくなることから、メーカーと共同でシンプルかつ低コス

 

ト・高性能のもの、メンテナンスの簡易な構造のマシン導入を目指しました。

 

 

ペレットマシン利活用の用途は広く、畜ふん堆肥(牛・豚・鶏)、米ぬか、油粕等々、

 

農家の希望する材料が成形およびブレンド可能で、作物によって、その肥効と農家の

 

こだわりを反映させることのできる幅広い対応が期待できます。

 

ペレット堆肥は、堆肥利活用の重要な手段です。

 

 

実際、稲作除草用の米ぬかペレットの製造依頼や、純粋に畜ふん(牛・豚・鶏)

 

ペレットの成形依頼、燃料用畜ふんペレットの成形依頼、ブレンド堆肥の成形依頼を

 

数多く受けており、ペレット堆肥への関心と期待度はますます高まってきていると肌

 

で感じております。